リチャード・ガディス(ジョン・C・ライリー)は、カジノのウェイトレス相手に青年ロドリゴ(ディエゴ・ルナ)がはした金を騙し取ろうとしているのを見て、彼なら自分の詐欺の相棒にぴったりだと考える。アルゼンチンの犯罪映画『Nine Queens』(2000年)を見事にリメークしたこの映画のいちばんずるい部分は、実のところ、あらゆる人間が詐欺をはたらいているように思わせるところであり、太陽が照りつける罪深い街ロサンゼルスにはひとりも正直者がいないように思わせているところだ。すぐにリチャードとロドリゴは偽造貨幣をめぐる大がかりな詐欺に巻き込まれ、リチャードに怒りをあらわにする妹ヴァレリー(マギー・ギレンホール)も罠にはまってしまう。ヴァレリーはリチャードたちのだまそうとしている男性(ピーター・ミュランが冷淡で残酷な男を演じる)が泊まっているホテルのコンシェルジェだ。その後に起こることはそれほど目新しいものではないし(『スティング』か何かで観たような感じだ)、欠かせない最後のおちは鑑賞に堪えうるものではないかもしれないが、グレゴリー・ジェイコブズ監督(最近のスティーブン・ソダーバーグ監督の作品では必ず助監督を務めている)は、観客をゆったりくつろがせてやさしくあやす方法を心得ている。キャストは皆、控えめな雰囲気にはまっている。ライリーが演じてみせたけちな人物は、取るに足らない詐欺師にぴったりだし、ルナとギレンホールはシーンを重ねるごとにどんどん怒りを増しセクシーさが加わっていくように見える。本作はロサンゼルスの街同様おもしろいがさして重要ではない。(Steve Wiecking, Amazon.com)
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